彩色設計では文化財事業で培った各種の経験を元に、独自に海外の歴史遺産や文化財関係の事業者との積極的な交流を行っています。
モンゴル国における建築彩色ワークショップをはじめとした、壁画墳墓の模写復原作業。中華人民共和国の敦煌研究院での研究討論会での事例発表等の実績があり、直近ではインドのサールナートにある仏教寺院の壁画の保全計画の立案等を行っています。一方で、日本では沖縄にしか例がなく、国内での実務経験者が少なかった桐油彩色に関しては、実際に伝統工法の施工実績を持たれている数少ない台湾の先生方を訪問し、古典技法の基本を教えていただく等、より実践に役立つ情報を収集するよう努めています。
研究者とは異なり、実際に現場で保全や修復作業を行ってきた実務経験が現地の実務を担当するスタッフから評価され、また民間事業者ならではのコスト意識や作業効率化に関わる新手法の提案、実務のスピード感も従来の事業支援等とは異なるものとして認知され、一定の評価を得ています。彩色設計ではこのような交流を通じ、自ら培ってきた経験をオープンにすることで、事業に関わる人々を通じて多くの貴重な歴史遺産がより良い方法で保全されることを願っています。