斜光調査

斜光調査の原理

同じ形状のものでも、光の強さや角度で見え方は大きく変わります。斜光調査はこの原理を応用し、モノの表面の微細な凹凸を観察する手法です。



斜光ライト

斜光調査には専用の「斜光ライト」を使用します。斜光ライトは対象に近い位置からできるだけ幅広く平行に光を当てるため、発光部が薄く作られ、また明るさも容易に調整できるようになっています。

従来は高輝度の光源としてハロゲンライトが用いられましたが、電源や電球の大きさと発熱の問題のため、光源と発光部を分け、光ファイバーで繋いで熱が伝わらないよう工夫がされた「コールドスポット」と呼ばれるものが主流でした。

現在では乾電池で駆動できる、高輝度のLEDが開発されたため、小型で持ち運びが容易なポータブルタイプが主流となっています。

 

従来型の斜光ライト。

現在主流のLEDポータブルタイプ。



斜光調査の例

木造建築の彩色では、色調(顔料)あるいは塗り重ね回数の違い等で、木地に対する紫外線や風雨の影響に差が生じ、経年劣化による木の痩せに対して微妙な凹凸、即ち文様や絵画の輪郭等に沿った凹凸が、材の表面に残ることがあります。それらは通常光ではほとんど見えませんが、斜光ライトでははっきりと確認できます。