彩色設計では常に「(楽しみながら)実際に手を動かして自ら確認する」ということを重視しています。これはモノ作りにおいて、知識や常識だけでは良い結果が得られないということに加え、昨今の様々な制作環境(材料や道具等の入手難)やユーザーニーズの変化に対応するためにも必要不可欠であると考えます。
また結果として実施工に使えるまでには至らなかったものでも、様々な試行錯誤のプロセスの中に、面白い発見や新たな知見があり、それがまた将来何らかのきっかけで利用できることもあると考えます。
日本画の画材を独自で研究する活動を行っています。
昔の絵画や彩色に用いられていたとされる鹿膠ですが、現在は入手が困難なため、自ら鹿皮を入手し、実際に作ってみました。
トレース用のPET透明フィルムに親水性を持たせ、墨や水性絵具での描画を可能にしました。
制作や施工で使う顔料について、実際の施工仕様に沿った色見本手板を作り、機械的な促進試験ではなく、屋外で暴露試験を行っています。